南京町『老祥記』 四代目
曹 祐仁 さん
Sou masahito
神戸・南京町で、創業100年を超える
老舗『老祥記』。
変わらない美味しさで、多様性のある街を
支え続ける。
100年企業『老祥記』が、
南京町の顔として先陣を切っていけるように。
神戸・南京町にある『老祥記(ろうしょうき)』は、大正4年(1915年)から愛され続ける『豚まん』が看板商品のお店です。創業者である曽祖父と曽祖母の頃からお店の繁栄だけでなく、街の発展にも尽力してきました。南京町は、神戸を代表する中華街として地域に根付き、太平洋戦争、阪神淡路大震災、コロナ禍を乗り越えて、今の活気ある街へと進化を続けています。現在、一つひとつの店舗を見ていると、長く続いていくお店だけでなく、入れ替わりの多い店舗も増え、多様性への理解が必要になってきていると感じます。これまでの中華街というイメージだけにとらわれず、多彩な店舗が軒を連ねる今の南京町らしさを皆さんに感じていただくことが大切。中華だけでなく、日本やアジアのお店もたくさんあるのでお互いに協力しながら魅力あるまちづくりをやっていけるようにと心がけています。
お店同士のつながりを意識した、まちづくりを実践。
普段からお店同士が定期的に集まって企画会議を実施し、春節祭、中秋節など、南京町ならではのイベントの実施について話し合っています。さらに最近は、「元町東地域協議会」にも所属し、南京町を含め、元町商店街、三宮中央通りなども一緒に、もっと広域のまちづくりにも取り組んでいます。去年からのプロジェクトとして、神戸の南北に通る「鯉川筋」一帯の活性化に向けて活動中。将来ビジョンをいろいろと計画している中で“担い手の必要性”が今の課題です。商店主だけでなく、学生さんや地域の住んでいる方々に参加いただき、いろいろな視点を取り入れて、どんな街にしたいかを話し合いしながら仲間づくりをおこない、まちづくりを進めています。
学生目線の新鮮なアイデアを取り入れながら、
もっと素敵な街へ。
元町に住んでいる僕らの日常は、たぶん新しくこの街で暮らす学生たちにとっての非日常だと思います。だからこそ、固定観念や思い込みにとらわれず、さまざまな価値観を取り入れることを大切したい。この街を観光資源という切り口から見ると、大阪や京都にはかなわないかも知れませんが、「住む」という点おいては、山があり、開放的な海もあり、景観も美しく、港町として海外の人をたくさん受け入れてきた文化のある街。街全体にウェルカムな雰囲気が感じられるのは、そんな歴史や文化も大きく影響していると思います。ぜひ、元町で暮らすみなさんは、街へと繰り出し、気になるところに飛び込んで、自分が思う神戸らしさを発見してみてください。
〈神戸元町で暮らす学生にメッセージ〉
最近では、企業や大学、お店などとも連携してイベントを開催し、地域の魅力発信や、接客などを体感してもらっています。今後は、どうやったら街がもっと面白くなるか?魅力的になるか?といった話し合いやワークショップを、お店だけでなく、もっと広いつながりでやっていくべきだと考えています。街が好きだったり、まちづくりに興味がある学生さんには、そういう場にぜひ参加してほしい。一緒に街を考えていきながら、にぎわいを作り、その中で新しいまちづくりを担う人材が育ち、そして次世代の方々へとバトンを渡していければ嬉しいと思っています。
南京町